親方との再会(1)

 ドス恋!くぼうちでごわす。先日信頼していた方からの投資話が全くの詐欺ということがわかり、意気消沈していたのでごわす。しかし落ち込んでいても仕方がないので警察に相談しに行ったのでごわす。こんなところには今まで行ったことがなかったので緊張したのでごわす。被害届けということで、担当の方に会わせてもらったのでごわすが、どうも明らかに面倒という感じで話半分で聞いていたのでごわす。
「で、詐欺っていうのはなに?ギャルゲがクラウドで日本が変わる?なんだかさっぱりわかんないんだけど。ギャルゲとかクラウドってなんなの」
「あ、そのギャルゲというのはギャルゲームの略でごわして、恋愛シミュレーションとも言われているでごわす。クラウドというのは・・・」
 担当の方はなに言ってるんだ、という顔をしながら言ったのでごわす。
「なんでそれが日本を変えるのよ」
「や、それはクラウドによるデータセーブとか、GPSによる位置情報を使った認識方法とか、そういう今までにない要素を取り入れて・・・」
「あー、はいはいわかったわかった。要はアキバにいるような人たちを対象にした詐欺ってことね。じゃあここに被害内容を書いといて。俺も他の事件も掛け持ちしてるから、そんなに期待しないでくださいね」
 なんかもう、この事件は完全に形だけで処理させられて時効になってしまうような気がしたのでごわした。おいどんが一連の経緯を書くと、担当者に読んでもらったのでごわした。しかし担当者は本当にわからないらしく。首を傾げながらおいどんに尋ねたのごわした。
「で、被害額は?」
「500万円でごわす」
「500万円?!そんなお金どこから稼いだの?」
「そ、それはオカピの画像を合成するビジネスで・・・」
「はあ?そんなんでそんな大金稼げるの?日本も随分景気がよくなったんだねえ。そんなたまたま当たったような商売で浮かれているから、こんな詐欺にあったんじゃないの?」
「そ、それは・・・」
「まあ、それはいいや。今日はこの辺にしましょう。なんか進展がありましたらご連絡しますので」
「よ、よろしくなのでごわす」
 思ったよりも話が進まなそうな予感に、すっかり気分が落ちてしまったのごわす。
 そして、警察を出ようとしたそのときでごわした。
「いやー、次は楽しみですなあ」
「署長、期待していてくださいよ。今度はもっと凄いですから」
「まったく親方には驚かされますなあ。では、また後ほど」
 その姿はまさしく親方なのでごわした。
「お、親方!お久しぶりなのでごわす!」
 親方は、しばしおいどんをいぶかしげに見つめると、パッとその表情が明るくなったのでごわす。
「おお、くぼうちちゃんじゃねえか!久しぶりだなあ。どうだ、テキストサイトはまだやってるのか?」
「それが最近はちょっとでごわして・・・ところで親方はなぜこのようなところに?」
「いやさ、こんど署長に定例の接待があるから、その連絡にきたんだよ。まあ、どっちかというと俺はパイプ役なんだけどな」
 こ、こんなところに接待・・・いったい親方はどんな方とパイプ役を果たしているのか気になったのでごわすが、聞いたらどこかに埋められるような気がするので流しておいたのでごわす。
「ところでくぼうちちゃんはなんでこんなトコに来ているんだい?またヤバいトコに手を出して被害届けってトコかい?」
 親方は本当に鋭いのでごわした。(続く)